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自作フィギュアの紹介・ベルツノガエル飼育日記など
立体チリモン図鑑 番外編 ヤドカリ
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チリモンとしてはヤドカリのこどもであるグラウコトエ幼生が見つかっているが、貝を背負ったヤドカリはまだ見つかっていない。可能性としては極小サイズのヤドカリが混入してもおかしくはないと思うのだけれども。というわけで番外扱い。


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立体チリモン図鑑 NO.6 タツノオトシゴ
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珍しそうな印象があるチリモンだが実は混入率的にはさほど珍しくもなかったりする。
しかしながら見つけたときのお得感は数多いチリモンの中でも随一である。

見た目はかなり奇矯だがれっきとした魚類である。
長く伸びた尾で海藻やサンゴなどに掴まり、スポイトのような口で微小なプランクトンなどを捕食する。
メスはオスのおなかにある育児嚢(いくじのう)に産卵し、オスは卵が孵化し稚魚がある程度まで成長するまでおなかの中で保護する。オスが妊娠し出産するという変わった繁殖形態をもつ。
そのような生態から地方によってはタツノオトシゴを安産のお守りにしたりするそうである。
立体チリモン図鑑 NO.5 コシオリエビ
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ちりめんじゃこ漁の漁法からして浮遊性の生物は多く採取できるが、海底に棲む生物が網に入ることは稀である。
コシオリエビも底棲の生物であるためちりめんじゃこに混じることは稀である。

製作資料として入手した個体は1センチにも満たないものであったがおなかには卵を抱えていたのでこのサイズで大人なのであろう。
一番後ろの足は小さく、エラの掃除なんかに用いるようである。
立体チリモン図鑑 NO.4 ワレカラ
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海藻などにしがみついて生活している甲殻類の仲間。ちりめんじゃこに混入することは稀である。

かつては清少納言が枕草子で虫といえばスズムシやコオロギなどとならんでワレカラを挙げるほど人気のある生物であった。ワレカラという名は乾燥するとすぐに殻が割れてしまう=割殻からきているのだが、「自(われ)から」との掛詞となることから和歌などにも多く詠まれている。古今和歌集では藤原直子が「海人の刈る藻にすむ虫のわれからと音をこそ泣かめ世をばうらみじ」などと詠み、伊勢物語においても「恋ひわびぬ 海人の刈る藻に 宿るてふ われから身をも 砕きつるかな」という歌が登場する。いずれも恋の歌である。平安時代においてワレカラはロマンティックの代名詞といっても過言ではないくらいトレンディな生物だったのである。みんなこぞって自分をワレカラに例えたのである。
しかしながら時代を経るにしたがい、人々は次第にワレカラの存在感は薄れていく。
江戸時代になるともはや昔の書物にのみ存在する伝説の生物的扱いとなり、写実的で優れた図譜であると評価の高い「栗氏千虫譜」でおいてすらなんだかわけのわからない子供のラクガキみたいな姿で描かれている。他のページの力の入れ具合から考えてワレカラだけ手を抜くというのも考えにくい。写生のための資料だってちょっと海に行って海藻を拾えばワレカラなんていくらでも手に入るはずである。にもかかわらずそうしなかったというのは本当に完全にどんな生物か忘れ去られてしまっていたのであろう。なんという栄枯盛衰。

そんなワレカラではあるが、特徴的なのはその見た目のみならず、生態も興味深い点が多い。
おなかの袋で卵を孵化させ、生まれた子供の育児まで行うのである。たくさんの子ワレカラを体にくっつけた親ワレカラの姿はなんというかまあキモチワルイ。
立体チリモン図鑑 NO.3 カニのメガロパ(カイカムリ?) 
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比較的よく見かけるチリモン。ちりめんじゃこの採集時期によって混入量、個体の大きさなどにバラつきがある。
メガロパの形状からカニの種類を同定するのは大抵は困難なのだが、5対ある脚のうち後ろにある2対の脚が短く、カギ状になっているという特徴からカイカムリもしくはヘイケガニのメガロパであるといわれている。
立体チリモン図鑑 NO.2 カニのメガロパ 
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比較的よく見かけるチリモン。ちりめんじゃこの採集時期によって混入量、個体の大きさなどにバラつきがある。
カニの子供。ゾエアが成長するとこのメガロパに変態する。
メガロパもカニの種類によって形状が異なる。さらに成長度合によっても形状が微妙に異なるためなおさら種類の同定を困難にしている。
最大の特徴は尾。この尾は成長してカニになるときには折りたたまれて腹節、いわゆる「ふんどし」と呼ばれる部分になる。
立体チリモン図鑑 NO.1 カニのゾエア 
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比較的よく見かけるチリモン。ちりめんじゃこの採集時期によっては大量に混入することも。
一見エビのような形状をしているが、カニの子供である。
カニの種類によって形状が異なるのだがどのゾエアがどのカニになるのかはほとんどわかっていない。
今回立体化したのはオーソドックスな前後に長いツノが生えたゾエアだが、この他にも側面にもツノが生えたものなどもおり注意深く観察するとなかなか面白い。
ツノはおそらく外敵から身を守るためのものなのだろうが、大抵は一口で丸呑みされてしまうためほぼ無意味である。